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翡「なんて………冗談……その選択肢…そっくりそのまま返してやるよ……紫戯………」
紫「なっ!!!」
完全に力を抜いた紫戯に一瞬で襲いかかる突風の渦…。
あっという間に紫戯は突風の渦に閉じこめられる…。
身動きのとれないまま紫色に輝く瞳が憎々しく翡翠を捉える…。
翡「残念だったね…。紫戯…。さて形勢逆転て事で僕からの選択肢聞いてもらおっかな?」
発生した風の渦はだんだんと紫戯の息を苦しめていく…。
紫「ハァ………ハァ………誰…が……ハァハァ…聞…………ガハッ……」
翡「そのまま死んでもらうのが一つ、あと一つは君と同じ……紫戯が俺の物になる事…部下つきでね♪……今この国を争っている勢力の中心の妖達といったら蛟一族、鵺一族、八咫烏一族、君の族、雷狼一族…そして僕…妖狐一族……。よく考えてみなよ…君が言う通り僕の一族はずる賢いプラス計算高い…=頭がいいんだ…。この国のトップに相応しいにきまってるだろっ…ねぇ…紫戯…。」
風が少し弱まるとぐったりとした紫戯の瞳が揺らぎぼんやりと翡翠を見つめる…。
翡「…大丈夫…。僕に任せてよ…この国の未来…。トップは僕だ…………」
紫「…トップ………は…狐…一族………なんか…じゃ………ハァ……ハァ……ねぇ………」
風が収まりふらり傾く紫戯の身体は簡単に翡翠の胸へと収まる…。
翡翠はそれをぎゅうと抱きしめ耳元に囁く…。
翡「仮に君がさ、この国のトップになるとして…今この時点の現状を誰が君の方が強いと認識すんの?狐一族のトップの胸に埋まる君の存在をさ♪」
紫「調子……に………のる…ん……じゃ…………」
翡「黙りな……もう…君ら一族は負けたんだ………」
紫「…………」
唐突な翡翠の葛に応援にきた自分の雷狼一族の仲間達が俯く紫戯の瞳に写り込んだ…。
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