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翡翠を残し扇に連れられ、自分の群れが去っていく様子に翡翠は弱々しく頷く…。
紅「そんなボロボロの身体で何ができる?翡翠…今、仲間を逃がした所でもう遅い…。ここにいるヤタガラスが全てだと思うなよ…。お前一族【妖狐】が逃げる道なんてとっくにわかってる…。残りの部下達を先回りさせた…。」
翡「………卑怯…な真似を…。」
紅「本当に仲間、仲間って……ばっかじゃねーの?お前が残れば他の仲間が助かるなんて、そんな甘ったれた事ありえるわけないじゃん……」
妖狐一族の群れの後尾はもう針の穴のように小さくなっている…。
翡「…ふっ…馬鹿なのは…紅夜…お前だよ…。」
紅「なんだと?」
翡「仲間を信じずして何がトップだ…。お前ら一族より、はるかに僕ら、妖狐一族のが強い…。なんで言い切れるかわかる?…仲間の力を心から信じてるからなっ……僕らはまけな……ウグッ……」
紅「もう説教は終わりかな?翡翠………」
紅夜の手は傷だらけの翡翠の細い首筋を締めあげる…。
徐々に力の入る手は翡翠の身体を簡単に宙へと浮かばせた……。
翡「ウグ……グッ………ヒギッ………」
紅「綺麗な顔がよがむのってさ最高にエクスタシー…♪………大丈夫…君を殺すなんてもったいない…妖狐一族を全て抹殺した後…君だけは………俺専属の奴隷にしてあげる……」
翡「………ツゥ………グッ……誰が………なる…か………」
紅「口が減らないね……。少しは奴隷らしくしたらどうかな?まっ…素直より反抗的な方が燃えるか♪ん?翡翠ちゃん?」
翡「…んぐ………」
翼(八咫烏第一側近)【…!!!紅夜様…!!!!】
紅夜「……んだよ…。リョク……?」
翼【今すぐお逃げください…!!!!波が………大波が……!!!!…………うわっ……きたぁ…!!!!】
何千の八咫烏の群れが逃げる最中背後に大きく荒れ狂う波が迫っている…。
その波が紅夜の瞳に写しだされると紅夜の喉元に生唾が流れ込んだ…。
紅「………逃げねー…と…」
翡「風隣呪縛………」
紅「!?」
翡翠が囁くと同時紅夜の身体は石のように動かなくなった
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