記憶

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痛すぎる頭痛に耐えられなくなり瞳を開けると不思議な空間に僕は存在していた…。 見た事のない物ばかりの真っ白だけが印象的な部屋…。 何故、僕がこんな所にいるのだろうか…… 全てがわからない… ただわかるのは心地好い温もりを与えてくれる下半身を覆っている真っ白な布きれの感触と瞳に映り込むこれまた真っ白な布を纏う………人…………間……。 『不吉を齎す…妖じゃ…!!!皆、制裁…を……!!!』 ツウッ…!!! なんだ? 一瞬頭をよぎる声と数百の人間の険しい顔が写しだされる記憶のような物にまた走る頭の激痛………。 痛みに耐えられなくなるとすぐにその映像は掻き消される…。 「君!?大丈夫かい!」 突然立ち上がる目の前の真っ白人間に思わず危険と感じる本能…。 「近づかないでください……!!!!」 そんな言葉がでるなんてこれっぽちも思ってなかったが本能は険しき警告音をたてつづけている…。 何故僕は今恐怖を感じている……? 何故僕は、今もの凄く逃げたいと思っている…… わからない…… わからな………い…… 「もしかして…事故のショックを思い出して…そんな行動を………。大丈夫…落ち着くんだ…ゆっくり深呼吸をしなさい…大丈夫…君はその恐怖から逃れられたんだから………さぁ…落ち着いて………」 何故か目の前の人間の言葉に徐々に爆発的に鳴り響く鼓動音が収まっていくのを感じる……。 不思議だった… 完全に落ち着きを取り戻した時、僕はその人間に優しく抱きしめられていた…。
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