記憶

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「ようやく落ち着いたみたいだね…。さて…君の名前は……?」 僕の名前……… 僕は…… 僕は…… こ………こ……う 「黄………?」 こう………あれ? 思い出せない……… まだ続きがあったような……… 「わからない…わからないです………」 無理に思い出そうと頭の痛みはさらに増していく…。 「黄君もういい…充分だ。きっと君は事故の影響で記憶を失ってるのだろう…。そうなれば……君だけではなくここにいる青年達もきっと………」 青年達…………? 目の前の人間の言葉に辺りを見渡す…。 瞬間… 『俺は雷狼一族トップ…紫……』 『僕は妖狐一族トップ……翠……』 『俺はヤタガラス一族トップ…紅……』 『僕は蛟一族………トップ…蒼………』 「ツウッ………痛い」 「大丈夫か?黄君!?」 「この人達の名前は……紫…、紅………蒼に…翠……………」 蘇りそうな記憶はまた痛みとともに胸の奥底へと沈められる…。 また真っ白になる頭の中…。 痛みに涙が溢れだした…。 「………この子達を知ってるのかい?」 「ううん…。わからないです……全てわからないんです…」 再び早くなる鼓動音は目の前の人間の抱きしめる温もりによりまた落ち着いていく…。 「何か、思い出そうとすると頭が痛くて……フグッ………」 「よしよし…。よく頑張った……。もう充分だから…。記憶はほんの少しずつ…思い出せるようにしような…。黄君…。」 「はい……。」 優しく撫でられる頭に心地好さを感じ身をあずける…。 『波に呑まれる…!!!逃げろーー…!!!!』 はっ…。 瞬間、蘇るとてつもなく大きな波の映像…。 「一つ…思い出しました。…………僕……波に……とてつもなく大きな波に呑まれたんです…………」 ぼやける瞳にうつる人間の顔が大きく変化する様子に自分の瞳も大きく見開いた
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