三吉三

3/3
前へ
/8ページ
次へ
…主はあの時はっきりとそう言った。 だのに主の方が先に我の目の前から消えてしまいおった。 だからわれが主を探してやろ。 ここで待って百年経った。 主を探す為ならば、 海も世界の垣根さえも越えて行ってやろ。 …だが、我は主の様に優しくはないのでなぁ、 たとえぬしが嫌がっても、我の元に帰らせてやろうぞ。 『ようやっと見付けたわ』 [刑部、か?] 『そうよ。主がなかなか探しに来ぬ故、 我が探しに来た。』 [そうか] 『さあ、帰ろう三成。 まぁ嫌だと言っても連れて行くがな』 [何を言っている刑部。 私はずっとここで貴様を待って居たのだぞ?」 『…何?」 「今日でちょうど百年だ」 「…」 「これからは、ずっと一緒にいてくれるのだろう? 吉継」 「…ヒ、無論よ」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加