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…主はあの時はっきりとそう言った。
だのに主の方が先に我の目の前から消えてしまいおった。
だからわれが主を探してやろ。
ここで待って百年経った。
主を探す為ならば、
海も世界の垣根さえも越えて行ってやろ。
…だが、我は主の様に優しくはないのでなぁ、
たとえぬしが嫌がっても、我の元に帰らせてやろうぞ。
『ようやっと見付けたわ』
[刑部、か?]
『そうよ。主がなかなか探しに来ぬ故、
我が探しに来た。』
[そうか]
『さあ、帰ろう三成。
まぁ嫌だと言っても連れて行くがな』
[何を言っている刑部。
私はずっとここで貴様を待って居たのだぞ?」
『…何?」
「今日でちょうど百年だ」
「…」
「これからは、ずっと一緒にいてくれるのだろう?
吉継」
「…ヒ、無論よ」
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