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メアリーを抱えて走っていたので、すでに疲労困憊といった状況だった誠はそれでもアルスの後を遅れないように着いていくと、いつの間にか視界の開けた場所に出ていた。
「うわ、すご・・・」
森をぬけた先は小高い丘になっており、下を見渡すと村と言っていいのかどうか迷うほどの小さな集落があった。
自分が今まで見てきた村はいくら小さくても人口は万単位の村だった。
しかし、この光景を見る限り少なくとも文化的ではなさそうだし、村人の数はいても100人程度だと思われた。
そしてその村を取り囲むようにさっきまでと同じような森があり、その森の周りには、さらに崖で囲われていた。
浜辺で見た崖は、きっとこの島全体を囲っていたのだろうと察しがつく。
一目で島全体を見渡す事は出来なかったので、それなりに大きな島だと分かった。
こんなところを一人で歩こうとしていたなんて思うとあの女性、メアリーに出会えた事は奇跡だとしか言えない。
「どうです?綺麗なとこでしょう!あれが私達の村です。」
丘をくだりながら、鮮明に見えてきた村を眺めた。
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