散々な日

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「・・・?誠か?!」 バス停の傍で携帯をいじっていた誠は不意に声をかけられビクッとする。 「おぉ、久しぶり!勤!」 高校時代の友人、志方勤(シカタツトム)だった。 「久しぶり。こんな時間に何してんだ?」 勤は背が高く、上を見上げて話さなければならないので首が疲れる。 「バス乗り過ごしちゃってさ」 苦笑いを浮かべると勤に呆れられた。 「お前は変わらねーな!」 と背中を叩かれて二人で笑い合った。 「そういえばよ、最近彼女とはどうしてんだ?」 聞きながら笑いがもれている。 明らかに答えを知ってて聞いているようなものだ。 しかし、もちろん嫌な気はしない。 「上手く行き過ぎてるよ」 顔がにやけそうになるのを必死で堪えるうちに、吹き出してしまった。 「この幸せ者め!」 本日二度目、また背中を叩かれる。 そこで思い出したように勤が言った。 「そうだ、お前こんな噂聞いたことあるか?・・・」 少し怪しい笑いを浮かべて話し出した。
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