散々な日

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バスが停まる。 前方の扉が開き1人降りた。 そして、誠は後方の扉側から入り、整理券をとって一番後ろの席に座る。 床は木で出来ていて、落ち着いた雰囲気のバス。 誠はついさっき聞いた話を思い出してみた。 勤の話はこんなものだった--- 誠の住んでいる、この茨城県、水戸には更に誠の通っている大学、茨城大学もある。 そして噂というのは、約2ヶ月前から大学生や一般人など、20代の人々が一番関与しているらしかった。 一夜にして昏睡状態に陥ってしまうそうだ。 勤も単なる噂だとしか思っていなかったそうだが、友人が同じ目にあって信じたらしい。 原因不明で、そうなった人は目を覚ますことが無いという--- 話を思い出しているうちにバスは茨城大学前に着きそうになった。 そこで停車ボタンを押し忘れていた事に気付き急いで押す。 スピードの出ていたバスが一気にブレーキをかけ、身体が前のめりになる。 前の座席を掴んで身体を支え、バスが停車したところで立ち上がった。 車掌のところに行くまでに何人かに迷惑そうな視線を投げられたがそこはあえて気にしないでおく。 定期を見せて降り、急ぎ足で講堂に向かった。
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