散々な日

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酷い一日だった。 それが率直な感想。 レポートの期限を3分程過ぎてしまい、危うく受け取ってもらえなくなるところだったが、何とか頭を下げて受け取ってもらった。 その後も講義では自分ばかりが指され、まともな答えを返せたから良かったものの、散々だった。 良いことないな、帰りのバスに乗ってそう思っていた矢先にふと女性の声が聞こえた。 いや、むしろ聞こえたと言うよりも頭の中に響いた、と言った方が正しいかもしれない。 よく聞き取れなかったが、何かを言っていた。 誠は自分に疲れているんだろう、と言い聞かせてそれを気にしないことにした。 なぜなら、バスの中に女性客は一人もいなかったから。 少し眠くなってきていたので、ミントのガムを噛んで、目を覚まさせた。
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