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「迷える仔羊がまた一匹…」
彼女は暗闇に似合う不気味な笑みを浮かべ、俺を椅子に座らせた。
「最近、何もかもが上手く行かない…違いますか?」
彼女の言うことは確かに当たっている…しかし、もし何もかもが上手く行っていたら、こんな所に来るはず無い。
インチキ占い師が良く使う手だ。とりあえずそう言っておけば当たるのは必至なのだ。
「明日の夜9時、ここに来なさい…さすれば、必ずあなたの転機は訪れますよ‥ちなみに一回千円です」
「ふん‥インチキ占いか…」
そう言いながらも、俺は千円を彼女に差し出した。
もういらない。食欲も無いし、したいことも無い。
その後、彼女は適当に占いを始めた。
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