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孝太郎さんは悩んでいました。
教師としての感情。
1人の人間としての感情。
何が正しくて。
何が間違っているのか。
正解は……
「先生っ」
再び開かれた扉、その向こうに大切な少女が立っている。
木村由梨は教室に飛び込んでくるなり、すがりつくように孝太郎さんの身体に腕を回してきました。
「……」
突然の事に固まってしまう孝太郎さん。
「やです」
木村さんは、聞き逃してしまいそうな声でポツリとつぶやきました。
「やっぱり嫌です。卒業してからなんて待てない。今すぐ、先生の彼女になりたい」
願ったり叶ったり。
出来る事ならそうしたい。
「少し落ち着きなさ……」
「先生が好き」
……それは反則だ。
「先生が好きなんです」
何が正しくて。
何が間違っているのか。
教師として。
人として。
正しくあらねば。
孝太郎さんは思い悩みます。
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