07 悩みごと、深まる。

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孝太郎さんはあやすように優しく背中を叩き、木村さんんの顔を覗き込みました。 「木村」 「ふぁい」 半泣き状態の木村さん。 目は充血していて、おまけに鼻声なのに。 何故こんなにも可愛いのだろうか。 「松本と何かあっただろう」 木村さんはピクリと肩を震わせます。 「広瀬とも何かあっただろう」 今度はジワリと顔を赤らめました。 眉をひそめる孝太郎さんの様子に、木村さんは慌てて付け加えます。 「でもでも、ちゃんと好きな人がいるって話しました!」 「そうかそうか」 まずは一安心。 「木村。俺達の関係は卒業してからだ」 そう言うと、木村さんは寂しげに顔を歪ませましたが、段々と冷静になってきたようです。 「……分かりました。ワガママ言ってごめんなさい」 うんうん、良い子だ。 「だから、木村」 「はい」 「選んでいいんだぞ」 「……ハイ?」 瞬時に理解できず、木村さんはぽかんと孝太郎さんを見つめました。
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