872人が本棚に入れています
本棚に追加
/384ページ
ーー放課後。
クラスメイトを引き連れてグラウンドへと向かう。
「あっちーな」
4月にしては、かなり暖かい陽気。
ジャケット脱いでくれば良かったなぁ。
「タァ君っ」
目的地に着くと。
Tシャツにハーフパンツ。
頭のてっぺんで髪を大きなダンゴにまとめた姉ちゃんが、そりゃあもう眩しいスマイルで駆け寄ってきた。
……いや、可愛いとか思ってないし。
それからタァ君って呼ぶな。
「ありがとー。友達連れて来てくれたんだ」
「貸し1つだからな」
「分かってる分かってるー」
おもいっきり不機嫌な顔を作ってやったけど、姉ちゃんは気にする様子はなく。
連れてきたクラスメイトには嬉しそうな顔を向ける。
「こんにちは。園芸部部長の木村由梨です」
姉ちゃんに興味深々のクラスメイト。
どーせなら、姉ちゃんにも得する方が良いだろと思って、部活の見学に連れてきた。
なんて姉思いな弟なんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!