不都合な事実

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それにしてもカンナはビックリすると声がめちゃくちゃ大きくなるみたい。 その声の大きさに私がビックリだよ。 っていうかカンナ・・・身を乗り出して、めちゃくちゃ食いついてきてる! 目がキラキラどころかギラギラ?してて、口がびみょーに笑ってる。 可愛い。 可愛いんだけど・・・なんか怖い。 「シローちゃんは、じゃあ待つって」 「梵くんと付き合う気なの?」 「そーゆーのとはちょっと違うんだけど」 どう説明したらいいのか分かんない。 私にも分かんない気持ちなんだもん。 分かんないんだけど、変に火がついてやる気になってるっていうか。 今なら出来る気がしてる。 「あーいいなぁ!」 カンナがまた大きな声で言った後、顔を近づけてきて、今度は小さな声で 「恋バナ聞いてるとね、私もまた恋がしたいって思っちゃう」 別れたばっかなのにね、って恥ずかしそうに笑ったカンナがものすごくキレイで、今この瞬間のカンナを見たらみんなカンナを好きになりそうだって思った。 「カンナらぶー」 なんとなくギュッとしたくなって浴衣がシワにならないように、そ-っとギュってしてみる。 「未咲らぶー」 恥ずかしそうにカンナが真似っこしてギュって返してくれた。
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