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「俺も困る?」 「・・・どーゆー意味?」 「俺がお前と付き合いたいって言ったら困るかって訊いてんの」 「は?」 シローちゃんが真面目な顔して言うから、さっきちょっとほぐれたのにまた一気に緊張する。 シローちゃんと付き合う? は? 「お前、俺が嫌い?」 「そんなわけないじゃん」 「でも困る?」 「えーうんまぁ困ってるかなあ」 「なんで?」 質問ばっかされて頭がついていかないのは、私がバカだからかなあ 次から次へと質問されるから、ゆっくり考えてる時間もないまま返事をしなきゃいけないし。 「だってさー、私、付き合うってどーゆーことか分かんないし、私、私、」 声がつっかえて口の中のつばを飲み込んだ。 「シローちゃんと似合わないよ」 友達ってだけでも感じてたけど、私はシローちゃんに似合わない。 シローちゃんはイケてる方に入ると思うけど、私はキレイでも可愛くもなくて、スタイルは普通より下で、胸だってなくて、友達もいないような暗いJKだし。 それでも一緒にいられたのは友達だからだったんだと思う。 「似合うとか意味不明」 「イミフって・・・なんて言うかさ、シローちゃんが恥かくっていうか」 「未咲はバカだな」 「はぁ?」 ああそうですよバカですよ! こっちが一生懸命に説明しようと頑張ってるのにさーバカって言われたらさームカつくよね!
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