9304人が本棚に入れています
本棚に追加
/837ページ
シローちゃんをジッと見てると、シローちゃんもジッと見返してくる。
その目はもう怒ってなくて、だけど、あれ?ってなった。
その目は、いつかの夜を思い出させる。
黒くて、なんかツヤツヤしてて。
あの時はドキドキもしたけど怖かった。
でも今はなんとなく違う感じで私をドキドキさせる。
その違いに、あれ?ってなった。
「お前がどう思うかはどうでもいい」
「どうでもいいって」
「俺がどう思ってて、未咲がどうするか決めるってだけのことだろ」
「シローちゃんが思ってて、私が決めること?」
「俺は未咲が好きで付き合いたい」
「うん」
そう何回も好きとか言わないでほしい。
慣れてないから、ものすごく恥ずかしくなる。
シローちゃんに顔を見られても今まで恥ずかしいなんて思ったことないのに。
「未咲は俺が嫌?」
首を横に振るけどシローちゃんの顔なんか見られない。
でもね、シローちゃん知ってる?
そこで好きかって訊かないところがすごくシローちゃんっぽいんだよねって笑って言いたい気持ちもあるんだよ。
シローちゃんっぽいって勝手に私が思ってるんだけど。
何回も自分のことキライかって訊くの、それこそイヤじゃないのかなあ
最初のコメントを投稿しよう!