境界線

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「お前のことは多分よく知ってる」 「うん」 「梵が好きで、彼氏いない歴イコール人生で、バカで、人が苦手で、それでも頑張ってるのも知ってる」 「前半おおきなお世話ですー」 イコール人生ってなに。 ふつー年齢って言うじゃん! 人生って言われた方が重たい感じがする!! 「それでも俺、お前がいいんだけど」 そんなこと言われたら、何も言えなくなっちゃうんですけど。 恥 ず か し く て! まともにシローちゃんの顔が見られなくなったじゃんか! もーなにこの雰囲気ー 耳も体も熱いし、汗かいてるし、心臓がドキドキしすぎて息が苦しい。 恥ずかしさで気絶しそう。 「俺が思うことは言ったから、あとは未咲が決めろ」 「決めるって今?今なの?」 「お前どうせ先に延ばしても変わらないだろ」 そうかも知れないけど、ちょっと逃げる時間くらいくれてもよくない!? 逃げっぱなしで戻ってこないかもしれないけど! 「でも私、付き合ったことないし」 「知ってる」 「彼氏いない歴イコール年齢だし」 「知ってる。貧乳だしな」 「うっさい」 えーこれどうしたらいいの? 「難しく考えなくていい。彼氏も付き合うのも、全部俺と始めてみたらいいだけだろ」 いっぱい喋るシローちゃんは珍しいけど、珍しがってる気持ちの余裕がない。
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