不都合な事実

3/46
9302人が本棚に入れています
本棚に追加
/837ページ
「楽しいって思ってくれてるならいいんだけど」 「うん楽しい。今は未咲の話がものすごく聞きたくて楽しいしワクワクしてる」 「わくわく?」 「未咲の話、聞きたいんだもん」 カンナが口を尖らせて言うけど、可愛いだけだし。 もん、とか言われるとキュンとするんだけど! 浴衣で足くずして座ってる、その座り方も可愛いんだもん。 なんか、ちょこんとしてる。 「えーでもワクワクされるような話じゃないと思うんだけどなー」 「いいの。私は聞きたいの。どうして付き合うことにならなかったの?」 「えーっと、私ね、なんというかこう自分からってなかったの」 は?って顔をカンナがするから、どう話そうかなあって思いながら、考えて喋ってみる。 「向こうから何かしてくれたり、どうにかなるの待ちっていうか。基本が待ちの姿勢なの」 「受け身ってこと?」 「あーうんそれかなあ。でねー今までそれでやってきたけど、なんか急にダメだって思ったの」 「うん」 なんでも受け身な自分に気が付いて、シローちゃんにお願いした。 「だからね、瑞季くんに告ってみる」 「えー!?なんでそうなるの?それって梵くんがOKしたら付き合っちゃうの?城崎くんはなんて?」 カンナの質問が多すぎて、何を訊かれたのか覚えられない。
/837ページ

最初のコメントを投稿しよう!