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「よぉ、満月!どうしたー?辛気臭い顔して」
ホームルームの後、先生のいなくなった教室で跳ねるように上機嫌で彼は僕に問いかけてくる。
「僕の名前は『みつき』だよ。『まんげつ』じゃないから。何度言ったら分かるのさ。隆元」
「いいじゃないか、まんげつって読めるし、いや、これからは委員長って呼んだほうがいいのか?」
クラスメイトの隆元はニヤニヤと嫌な笑顔でこちらを見ている。
「いてっ」
隆元の後ろから頭上に拳骨が落ちる。
「なんだよぉ。副委員長」
言葉を向けられた先、隆元の後ろには黒い髪を上でポニーテールに結んだ女の子が立っている。
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