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枝は痩せた指に変わり、幹は皺と滲みだらけの腕へと変わっていった。
鬼にも見えるほど、顔を醜く歪ませた老婆が足元に浮き上がってきた。
細い腕をしているのにその力は強く、
掴んだ足を離そうとしない。
「やめて!離して!」
力の限り足を引こうとするが、
びくともしなかった。
「お願いだから、離してよっ」
老婆は薄汚れた白髪を持ち上げ、
こちらを睨み言葉を発した。
『お前は死なねばならん』
その声には聞き覚えがあった。
「みなばーちゃん…?」
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