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大声で歌う者、立ち止まり下を向く者、
怒鳴り合っている者達…
その全てが恐ろしかった。
逃げなくては…!
誰もいないところへ…!!
でも、すぐ気がついた。
行ける場所なんか、
ない。
絶望感に満たされ、足が進まなくなった。
どうすればいい?
誰も知らないこの大都会で…
崩れ落ちそうになる体を、最後の理性で
人ひとりが通れるだけの狭い路地裏に隠した。
やっとみつけた他人のいない空間で
壁にもたれ掛かったまま座り込む。
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