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「俺たちが子供の頃、北海道で花音と会った。これは前に話したね?」 私は小さく頷いた。 「夏が終わり、俺たちは東京に帰った。でも、俺は毎年一條家に行っていた。花音に会いに…でもそれは俺の個人的な感情で、本来の目的は違っていた」 「本来の目的?それはなんなの?」 穏やかに微笑む有人は、どこか少し悲しげに映った。 「花音のお姉さまのお相手を務めるためさ…」 「私の…お姉さま…」 衝撃的な言葉だった。 私に姉がいたことなんて、今まで聞いた事がなかったから… 「驚いたろ?」 そっと私の手を包む有人の手が、緊張からか少し冷たく感じた。 .
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