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「えっ?」 「失礼しました…花音様?シャワーを浴びられては如何ですか?」 「あっ…シャワーね!そう、シャワー浴びてくるわ!!」 また顔から火が出そうになりながら、慌てて着替えを揃えるとヘラヘラと笑いながらバスルームへと向かった。 あぁ…なんでこうなるんだろう… せっかく一人暮らしを満喫しようとしてたのに… 絶対に執事はいらないって言わなくちゃ!! 熱いシャワーを浴びながら、彼の残像を流してしまいたかった。 サラサラの黒い髪に力のある瞳。 背が高くて細身の身体のくせに、大きなトランクを軽々と持ち上げて… 彼の上着を羽織った時に香った優しい香り。 クスッと笑った愛らしい笑顔。 低くハッキリとした声が、男っぽさを漂わしている… 「あっ?私ったら何考えてるんだろ!!」 顔からシャワーを一気にかけて、思い切り顔を手で擦った。 .
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