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「…なっ!そんな事言ったですかぁ……」
ジュンさんも言葉がない様子で、そっと膝をついて私の肩を擦ってくれた。
「…花音。少し調べたい事がある。少し俺に時間をくれないか?」
感情を圧し殺しているかの様な有人の声に、私は顔を上げた。
「調べたい…こと?」
有人は頷いた。
「あぁ、気になる事がある。ジュン?花音を頼む」
「わっかりましたぁ!!」
「うん」
ジュンさんの返事を聞いて、有人は直ぐにマンションを出ていった。
「…有人…」
「大丈夫ですよぉ。有人に任せておきましょうねぇ…」
不安になるだけの私に、ジュンさんの穏やかな声がなだめてくれる。
肩にかかった髪を撫でるジュンさんの指先が、とてもとても優しかった。
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