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「…ジュン…さん?」
「少しだけ…少しだけですから…」
耳元でジュンさんのハスキーボイスが囁いた。
「…僕らは…小さかった花音様に恋をしました…」
「えっ?」
顔を見ようとすると、その動きをジュンさんがきつく私を抱きしめて遮った。
「でも、有人の想いには敵いませんでした…だから、ヒーローもチャミも執事を諦めたんですよぉ?みんな花音様の執事になりたかったんです…」
「私の執事に?」
「…はい」
背中のジュンさんの手が、頭を優しく撫でる。
「有人はずっと花音様しか見ていませんでした…知っていましたかぁ?花音様と初めてあった夏の北海道。あれから毎年有人は北海道に行ってたんですよぉ?」
「えっ?」
有人が毎年北海道に?
初めて知る事だった。
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