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「これを旦那様に見せれば、確実に分かってもらえるな…ユノ、本当にありがとう」 「いいんだよ、有人。君たちの役に立てるなら、僕はなんだってするよ」 頷き合う二人に、みんなも笑顔になってゆく。 ただ…私だけが、何かモヤモヤしたものを胸に抱えていた。 「どうかしましたか?今になって風間俊太郎との結婚話が、惜しくなってしまったとかですか?」 私の様子に気がついたチャミさんが、少し意地悪そうに言ったので、他のみんなの視線が私に集中してしまった。 「そ…そんなんじゃありませんから!」 自分でも驚くくらいの声が出ていた。 .
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