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「どうした?花音?何か気になる事があったら、言っていいんだよ?」 とても優しい有人の声だった。 その表情も穏やかで、私の顔を覗き込む有人を見ていたら、どうしても疑問を解きたくて仕方がなくなってしまった。 「…どうして…有人は…毎年離れに来ていたのに、私から隠れていたの?」 「えっ……?」 有人はすぐに理解出来ないようだった。 「あっ!」 ジュンさんが声をあげると、今度はみんながジュンさんを見つめた。 「ジュン、何を話した?」 静かだけれど、それはとても冷たい有人の声だった。 .
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