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「花音…大きい声出してごめん。本当に…ごめん…その、花音の質問の答えは……」
有人は、何かを考えているようだった…
聞いてはいけない事を、もしかしたら口にしていたのかもしれない…
「…いい。そんな事知らなくてもいいの。ごめんなさい、有人。さぁ、このユノさんが持ってきてくれた書類を、早く北海道のお祖父様にお知らせしなきゃ…」
テーブルの上の書類を手にした時、有人の手が私の動きを止めた。
「ゆ…有人?」
有人の目が真剣だった。
「いや、花音にはいつか話さなきゃいけないと思ってたんだ。でも、色んな事があって…花音も一度に色んなものを抱えて、辛くなるかなと思って…」
椅子に座り直す有人は、ゆっくりと全てを話し出した。
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