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「花音には、一つ違いのお姉さんがいるんだ」
私は今どんな顔をしているかしら…
頭の中が真っ白になって、ただ有人の次の言葉を待っていた。
「一條家は花音のお母様の実家だ。お母様には兄弟がいない。本来なら一條家を継がなくてはならない存在だ。でも、お母様は拒否をした。何故だかわかるか?」
お母様…拒否を…
分からなかった。
「ううん…なぜ?」
有人がまた、優しく微笑み言った。
「花音のお父様を愛したからだよ?…花音のお父様は、普通の会社に勤める人だった。ある年に、旅行で北海道を訪れ、偶然知り合ったお母様と恋に落ちた。二人は駆け落ち同然で結婚したんだ」
にわかに信じられる話では無かったけれど、有人の真剣な眼差しを否定する事は出来なかった。
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