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『おはよう花音。寂しくはないかな?今朝の沖田は、少し寂しそうだぞ?そうそう、花音が心配だから、執事をそちらに向かわせた。沖田の孫だから心配するな。沖田有人(ゆうと)くんだ。』
「……ん?執事?……えーーーー!!」
執事なんていらないでしょ?
私の念願の一人暮らしはどうなるの?
それに沖田さんの孫って……
お祖父様が心配するのは解るけど、今の私には執事は必要ないのにぃ……
焦って汗ばむ手で、お祖父様に返信を打とうと私はベッドの上に座り直した。
「えっと……なんて返したらいいかしら…お祖父様を傷つけないように…うんと…」
『おはようございます、お祖父様。そんなに寂しがらない様に伝えてください…』
―ピンポ~ン…
そこまでメールを打ち終わると、突然ドアチャイムが鳴った。
「…えっ?まさか…」
顔から血の気が引いていくのがわかった。
「まさかよね…」
―ピンポ~ン…
応えない私に、またドアチャイムが鳴った。
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