Prologue

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人は夢を見る。 それは現実に見るものでもあるし、もちろん寝ている時に見るものもある。 テレビだとかで「夢で飯は食えない」とか「夢は叶える為にある」なんて言葉をよく耳にする。 人それぞれで、もちろん考えがあると思う 。実際、俺だってその中間で漂ってどっち付かずだったりする。 でも、どっちにしろ誰だって何かに憧れたり、目指すものがあった筈だ。その結果が、そう言った結論に導いただけの話であって。 結局は皆、夢を持つんだよな。 ……さて、なんで俺がこんな話を始めたかと言うとだな。 さっきまで夢を見てたからだ。 どんな内容かはハッキリとは覚えてはいないけど……誰かを守ってた、そんな夢だ。残念ながら相手の顔も分からないし、どんな子かも分からない……。という訳で、寝起きながらに思い出そうと、首を今の今まで捻って考えていた訳だ。 でもこれだけは確信を持って言おう。絶対相手は可愛かったと思う!俺がこうやってスッキリと目を覚ますコトができたんだから間違いない! でもそれは虚しい努力であって。 ベッドの上で胡座をかいて腕を組んでるところを幼馴染みに見られたら間違いなく「何やってんの?」と呆れられてしまうに違いない。 「いっちー!朝ごはんできた―――って、あれ?何やってんの?」 ほら来た。勢いよく扉を開いて、幼馴染みの登場だ。 俺は硬直、幼馴染みも目をキョトンとして固まっている。 「いや……まぁ……今日から新学期だから、気合いを入れようかと……」 「余計な部分も気合い入ってるけどね」 そう言って幼馴染みは、俺の大事なアソコをニヤニヤしながら指差した。 「おまっ!こ、これは男の生理現象でだな……!!」 「分かってるから……。でも、そんな焦るってコトは、どうせエッチなコトでも考えてたんでしょ♪」 「ちげーし!!」 「ハイハイ。ほら、早くしないと遅刻しちゃうよ」 幼馴染みに急かされ、いそいそとベッドから下りる。 そんな思春期男子の、虚しい朝だった。
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