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手の中でバキっとファラシドが砕ける音がした
「は?」
間抜けな声を漏らす赤髪
黒い指輪が僕の魔武器だということはほとんどの人が気づいてるだろう
それを砕いた僕の意図など理解できるはずがない
手を開いて覗き込むと粉々に砕けたファラシドがある
「……それで謝罪のつもりかよ!?」
「?」
「シュリがああなった原因を壊したって前のシュリは戻ってこねぇんだよ!!」
「だから何を言ってるの?
別に僕はあれを壊した謝罪のためにファラシドを壊したわけじゃないよ?」
「は…?ならなんで…」
最初に言ったじゃん
薄く笑う
「八つ当たりのため」
「てめぇえええええ!!!
ふざけんじゃねぇ!!」
魔武器であろう身の丈の二倍はある二本の大剣が赤髪の両手に現れる
そしてそのまま突っ込んでくる
それを一瞥してから粉々に砕けたファラシドに魔力を流す
するとファラシドが漆黒の輝きを放つ
とっさに危険だと判断したのか方向転換して距離を取る赤髪
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