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もう少し僕について詳しく言うなら僕は今月で小四になった、周りの大人からはよくませてる、醒めてると言われることが多い
本が大好きで一日中本を読んでることも多々ある、僕が醒めてるんだとしたら本から取り入れた知識のせいだと思う
本が好きと言っても運動が苦手なわけじゃない、むしろ得意だし好きな部類に入る
ただ優劣を付けるなら本が好きなだけ
あとこれは不本意だけど、人と会う度に女の子と勘違いされる
どこか退屈だけど、今の生活も気に入ってるのでまぁいいかと区切りをつけた
「それじゃあ朝の会始めるぞ」
担任の野中先生の言葉をきっかけにまたいつもの変わらない日常が始まった
全ての授業が終わり、放課後の教室で僕は一人空を眺めていた
時間はもう十七時過ぎ、日が傾いて教室には茜色の光が差し込んできている
五階と高い位置にある僕のクラスは見晴らしがよく遠くまでよく見える
僕はこの時間帯が一番好きだ、うまく説明できないけどこの茜色の空を見てるとどこか悲しくなるけど心が落ち着く
あまり共感してくれる人はいないんだけどね…
「あれ?夜神くん?」
教室の入口辺りから声をかけられたので少し驚いた、なにせもうとっくに下校時刻を過ぎている
誰だろうと思い視線を向けると僕と同い年くらいの女の子がいた
確かあの子は…
「笹森さん?もう下校時刻は過ぎてるけど…」
「夜神くんだってもう下校時刻過ぎてるよ?」
そう返してきたのは僕のクラスメートの笹森 梨紗さん
腰まである白髪に赤い目をした年相応の可愛いらしさとどこか大人びた綺麗な容姿をしている女の子だ
笹森さんはアルビノという先天的な病気で髪が白く目が赤いらしい
みんなは不気味って言うけど僕は綺麗だと思う
どことなく茜色の空を思い出す
「僕はこの時間が好きなんだよ」
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