恋心

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「……寝てる、のか?」 はい、寝てますよー。熟睡しちゃってますよー。 髪を触られた。何故!? 「柔らかいな……」 鼻血でそう…っ!先輩が俺の髪触って柔らかいな……って!絶対鼻血出る。出ない奴なんてどうにかしてる。 「こいつ、俺のこと好きなんだよな……」 はい好きですよ大好きです婆ちゃんっ子な俺が婆ちゃんより貴方が大好きなんです。 本人には言えないことを寝たフリしながら思っていると、髪に感じていた感触が消え頬が温かなぬくもりに包まれた。 「背ぇ高くて、かっこよくて、勉強出来て、運動神経も良くて、……まぁちょっと変だけど黙ってれば完璧な奴が俺のこと好きとかありえないよなぁ……」 そんな風に捉えてたの!?べた褒めやん!?素直に嬉しい!んもう先輩かわいいだいすきすぎて砂吐きそう。 静かに悶えていると 「……この唇が好きとか言ったんだよな……俺の好きな声で俺の好きな表情で……」 だんだん声が弱くなるにつれて相手の体温が近づいてくる。やばいこれはやばくないか!?ちゅーしちゃうよ!?いいの!?いいのこれ!? 唇に感触。あぁ…もう死んでもいいですあやっぱり嫌だ俺以外にこの人に近づく人が現れるかと思うと死ねない。 うっすらと目を開け、目の前にいる愛しい人を見つめる。 長い睫毛、白く思春期ニキビなど無いつるすべな肌、触れている唇は予想以上にやわらかい。 軽く触れているだけじゃ物足りなくて、その華奢な身体を抱き寄せ深く重ね味わう。 驚いて目を見開き、抵抗を見せてきた相手の身体をきつく抱きしめ唇を離し首筋に顔を埋める。 「な…っ、寝たフリしてやがったな!」 「すみません、我慢出来なくてつい……」 「我慢出来なくてついじゃねぇよ!急に起きるなよ!びっくりしたじゃねぇか!」 「びっくりしただけですか?嫌じゃなかったですか?」 「…っ、いや、それは……」 外堀を埋めていく。先輩が気づかないように。
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