桜誕生日小説

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そして、お互い16になったとき。 どこぞに嫁がせようとする親族が、こぞって自分に見合い話を持ってくるようになった。 断りきれない桜の代わりに怒ったのは、佐ノ助だった。 『勝手に決めるな、そんなの桜は望んでない!』 激怒して、見合い話を持ってくる親族を片っ端から追い返してくれた。 そしてそんな日が何日か続いたある日、佐ノ助は言ったのだ。 『桜、家を出よう。こんな家にいたら、俺達は幸せになんかなれないよ。それに俺、外の世界が見たいんだ。』 そういって笑って手を差し伸べた佐ノ助に、桜もその手を取ったのだった。
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