桜誕生日小説

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元々腕っ節の強かった佐ノ助と自分は、一時的な護衛や依頼を受けて日々の金銭を稼いで暮らしていた。 そして、舞姫様と出会った。 初めての長期護衛の相手となるその人は、優しくて綺麗な人だった。 護衛として雇われた同期は四人。 いつもぎゃーぎゃーやかましく騒いでいたけれど。 『あらあら、皆元気ね。仲良しみたいで良かったわ。』 そういって微笑んでしまえるような人だった。 そんな素敵な人に、佐ノ助が恋情を抱いたのは不思議なことではないのだろう。 その気持ちに気付いたとき、小さな胸の痛みと共にひそかに芽生えかけていた想いに蓋をした。 その想いに名前を付けるなら、きっと佐ノ助が舞姫様に抱いた感情と同じはずだった。
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