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あいつは彩乃と話をしているようだ。
変わってねぇな。
あいつは5年もの間、どこで何をしていたんだ?全く分からねぇ。
まぁいい。
ケリをつけた後、あいつにもう一度気持ちを伝えたい。
あいつはいつも俺の所為で我慢を強いられることになっていて、それでもあいつは俺に従順だった。
もし上手くいったら、俺の知らないあいつの5年なんてすぐに分かる。
そして今まで寂しい思いをさせてきた分、あいつのワガママを出来るだけ叶えてやりたい。
「あーぁ、蓮さんはまだかなー」
あいつらは、俺が近付いてきていることに気付いていない。
「もう来ないんじゃないの?
酷い男ねーー」
彩乃め。
俺がいるのに言いたい放題だな。
…そろそろ声をかけるとするか。
「ーーひでぇ言いようだな」
俺は今ここで大事なモノを捨て、大事なモノを手に入れる。
それが、29歳になった俺の新しいスタートだ。
ー完ー
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