神崎蓮、29歳。

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あいつは彩乃と話をしているようだ。 変わってねぇな。 あいつは5年もの間、どこで何をしていたんだ?全く分からねぇ。 まぁいい。 ケリをつけた後、あいつにもう一度気持ちを伝えたい。 あいつはいつも俺の所為で我慢を強いられることになっていて、それでもあいつは俺に従順だった。 もし上手くいったら、俺の知らないあいつの5年なんてすぐに分かる。 そして今まで寂しい思いをさせてきた分、あいつのワガママを出来るだけ叶えてやりたい。 「あーぁ、蓮さんはまだかなー」 あいつらは、俺が近付いてきていることに気付いていない。 「もう来ないんじゃないの? 酷い男ねーー」 彩乃め。 俺がいるのに言いたい放題だな。 …そろそろ声をかけるとするか。 「ーーひでぇ言いようだな」 俺は今ここで大事なモノを捨て、大事なモノを手に入れる。 それが、29歳になった俺の新しいスタートだ。 ー完ー .
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