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すっかり夕方になってしまった。
霊園での時間が思ったより長くかかってしまった。
だけどそのお陰で俺の中で何かが変わった。
やっと前に進めそうな気がする。
これから仲間のいる場所に向かう。
ただ再会するためじゃなくーーケリをつけるために。
俺はひたすら懐かしい道を歩いた。一歩一歩、アスファルトを踏み締めて。
その度に、足元からは5年前の楽しかった思い出や痛い思い出が、ひしひしと全身に伝わり、そして痺れた。
ーー5年ぶりだもんな。
俺は手に持っていた向日葵の花を近くの川に投げ捨てた。
ずっと握っていたから、買ったときよりも萎れていた。
本当はかけるの墓に置いてきたかったのだが、菊を見せただけで散々バカにされたから出すタイミングを失ったのだ。
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