第一章

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 母によるとこういう話だ。 もともと烈寡の家族構成は 母と烈寡、所謂シングルマザーで、 その母親が外国へ仕事に行くこととなり、 烈寡は日本にいたいと言い張るわけだ。 そして困り果てた母親は 幼馴染だった俺の母に “しばらく預かってくれないか?” と相談したわけだ。 それを快諾したためこうなった、と。 とりあえずは納得だ。 しかしだ いろいろ大変になるのは当たり前として いつ烈寡の母親が戻るのかだ。 「しばらくって言ってたわよ」  つまりこういうことだ 【いつ戻るかわからないけど うちの娘を預かってくれない?】 【いいよっ!】 「あら嫌なの?ゆーん」  と母 「嫌って訳じゃないけど…」  まあね。と俺。 「じゃああがっていいわよっ」  え? 「おじゃましまーす。」  烈寡も烈寡だな。 というと 「あんたさっきからうるさい」  とおこられる始末。  まあいい。昔のよしみで許そしてやろうじゃないか。 俺の心は寛容なのだ。  こうして烈寡は家へと来た。
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