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「じょ、状況終了……していました」
『していましただぁ!? どういうことだ!?』
「それが……その……犬型、撃破されていました。完膚なきまでに……」
『誰がやった?』
「ナイフを持った、東洋人男性です」
『連れてこい』
「りょ、了解!」
直樹は感染体を倒した功労者であるにも関わらず、ナイフを奪われホールドアップさせられていた。アリスもリュックを渡して同様にする。
「ミハイル大尉の命令だ。大尉のところまで連行する」
「さっきまでの動揺、どこ行ったし。まぁ、いいよ。アイツは話がわかりそうだ」
「どうだかな」
死体処理の兵士を残し、二人は連行された。
「失礼します!」
兵士はドアの前に立つと、敬礼しながら言った。
「ドア開いてないのに敬礼とか……笑える」
兵士は直樹の言葉を無視してドアを開ける。二人は中に押し込まれた。そして直樹は転けた。
「いってぇ……」
「やっぱりお前か……」
高そうな椅子に座るミハイルが言った。直樹はミハイルを見た。
「何か用か?」
「大尉に失礼ではないかっ!!」
「まぁいい。お前たちは下がれ」
「……失礼します」
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