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不満そうに立ち去る兵士がドアを閉めると、直樹は再びミハイルを見た。
「お前たちを呼んだのは他でもない。勧誘だ」
「断る」
「どうして、私たちなんですか? 私たちより優秀な人なんて探せば……」
アリスも嫌らしく、訊いた。
「時間が無い」
「時間……?」
「これを見ろ」
ミハイルはバインダーに挟まれた書類を渡してきた。直樹はロシア語で『極秘』とかかれたページをめくる。
「……イジメか?」
「ん? どうしてだ?」
「読めねえよ!!」
「あぁ、悪い悪い。こっちだ」
ロシア語の書類を受け取ったミハイルは、日本語で『極秘』と書かれた書類を渡してきた。横からアリスが覗いた。書類に一通り目を通した直樹は、バインダーを返す。
「これ……本当なのか?」
「あぁ。無事だった政府関係者は首都機能の移転。そこで大勢の逆転を狙っている。移転先は極秘らしく知らされていないが、次襲われれば確実に政府の機能は止まる」
「そうなったら……どうなるの?」
アリスが訊いた。ミハイルは椅子に座り直す。椅子がギ……と鳴った。
「俺達軍隊はしばらく動けなくなる。その間になんていう名前か忘れたが、ウィルスでもばらまかれて見ろ。終わりだよ」
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