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海洋研究所ロシア支部。表向きには北極海の調査をしている。
「ただ今戻りました」
「……どうだった?」
ピリピリとした空気の中、ガスマスクをつけた男が報告する。
「データは全てコピーしました。不測の事態がありましたが、そちらは心配いらないかと」
「珍しいな、貴様が任務をこなすとは……」
「いつも失敗ばかりしているわけにはいきません。たまには成功しますよ」
「そうか……」
ガスマスクをつけた男はディスクをデスクの上に置く。
「では、これで」
「待て」
首だけ動かして所長を見る。
「……何か?」
「貴様に面倒を見てもらい奴がいる」
「誰でしょうか?」
「入れ」
ドアが開き、これで目だけ見えれば低級のホラー映画には起用できるであろう女性が入ってきた。
「失礼します」
「彼女は?」
「タイプ・スリー。人としての生活ができる」
「……彼女も変異種と?」
「そうだ」
「了解しました」
「よろしくお願いします」
彼女は深々とお辞儀をする。
「彼女が死ななければ好きなようにするといい。君の作戦の補佐でも、夜のお供でもな」
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