第一話

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直樹は翻訳機のチャンネルを指定する。勿論、相手はミハイルだ。 『どうした!? ジャパニーズ!』 「この警報は何だ!?」 『避難警報だ! 近くのシェルターに行け! こっちは手がはなせない、いいなっ!?』 通信が切れた。 「ノンナ、シェルターはどこだ!?」 「こっちです!」 二人はノンナを追い、シェルターにたどり着いた。 「こんなのがあったなんてな……」 直樹は分厚い金属の壁を叩いて言った。アリスは同意するように頷いた。 「戦時中に造られたものを改修していると聞いたことがあります」 「そうなんだ。ここは、最大でどのくらい保つの?」 「完全密閉時は最大人数200人で平均一週間は。空気は浄化フィルターが24時間稼動します」 「なるほど。だが、そんなに隠れていたら変異種が制圧しちまうぞ」 直樹は金属の天井を見る。 翻訳機に通信が入る。 「ミハイルか?」 『シェルターに……なんできた……?』 「あぁ、一応は。電波状況悪いのか? 少し聞こえにくいんだが」 『な……いい。しばらく時……んが……ると周……の……』 「なんて言った? 聞こえねぇよ!」 翻訳機はノイズが走るだけだった。電波の届かない場所に行ったのか……。ただ、胸騒ぎがした。
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