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直樹は翻訳機のチャンネルを指定する。勿論、相手はミハイルだ。
『どうした!? ジャパニーズ!』
「この警報は何だ!?」
『避難警報だ! 近くのシェルターに行け! こっちは手がはなせない、いいなっ!?』
通信が切れた。
「ノンナ、シェルターはどこだ!?」
「こっちです!」
二人はノンナを追い、シェルターにたどり着いた。
「こんなのがあったなんてな……」
直樹は分厚い金属の壁を叩いて言った。アリスは同意するように頷いた。
「戦時中に造られたものを改修していると聞いたことがあります」
「そうなんだ。ここは、最大でどのくらい保つの?」
「完全密閉時は最大人数200人で平均一週間は。空気は浄化フィルターが24時間稼動します」
「なるほど。だが、そんなに隠れていたら変異種が制圧しちまうぞ」
直樹は金属の天井を見る。
翻訳機に通信が入る。
「ミハイルか?」
『シェルターに……なんできた……?』
「あぁ、一応は。電波状況悪いのか? 少し聞こえにくいんだが」
『な……いい。しばらく時……んが……ると周……の……』
「なんて言った? 聞こえねぇよ!」
翻訳機はノイズが走るだけだった。電波の届かない場所に行ったのか……。ただ、胸騒ぎがした。
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