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「クソッ!! エイブラム・リアめ……。死んでもなお迷惑をかけるかっ!」
無駄弾だと知りながらも、全身から海水を吸い込み、ぶくぶくに膨れた死体に何発もの弾丸を撃ち込む。一発ごとに血と海水が混じった液体が流れ出る。
「まぁいい。データは貰った」
コンピュータを操作し、サーバーのデータを全消去する。ふと、視界に入った写真。リレーだろうか、バトンを持って走っている少女が写っている。確か、彼の娘だったか。
「悪い夢を見るがいい」
予想外の侵入者は二人組だ。エイブラム・リアのIDを使うということは、彼の関係者だろう。
スモークガラスで顔が見えないようになっているガスマスクをつけている男はスイッチを押す。これで二人組は水に流されるだろう。
しかし、予想外は続いた。
しばらく進むと、予定外のことに非常扉が開かなかった。他区画への浸水を防ぐためだろう。
「クソッ!」
男は全ロックを解除する。この方が簡単だった。
地上へ走り、彼はボートに乗った。ロープを切ると、一気に加速する。
二つ目のスイッチを押し、橋を壊した。
「あのボートはじゃじゃ馬だよ……」
これで、大丈夫だろう。
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