第一話

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* 「クソッ! 通信が切れやがった」 ミハイルは翻訳機のチャンネルを変える。 「こちらα、応答願う」 ミハイルとその部下は、曲がり角に隠れる。バリケードの一つがあっさりと破壊された轟音が聞こえた。 『α、今の音、なにがあった!?』 「やべぇのが出てきた。人手をこっちに回してほしい」 『すまないが……犬の数が多く、手が足りない』 ミハイルは舌打ちをする。二つ目のバリケードが破壊された。彼は手榴弾を投げる。 『なんだ!? また破壊音だぞ!?』 手榴弾が爆発した。 「どうだ……」 禍々しい雄叫びが響く。 「なんて堅さだよ……」 『α、状況を報告しろ!』 「奴はバリケードを二つ破壊、手榴弾をまともに食らって無事ときた」 『種類は!?』 三つ目のバリケードが破壊される音が響く。 「引っかかったな、馬鹿が」 直後、仕掛けてあった爆薬に火がつき、大爆発を起こす。爆心付近にある壁や天井のパネルが吹き飛んだ。熱風が一瞬、ミハイルの体を舐める。 流石に足止めできたと思ったが……直後に重い足音。 「奴は……人型だ」
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