第一話

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人型の変異種は、筋肉により肥大化しており、左腕は肘から先が平べったくなっていた。胴体を隠せるだろう。頭に毛は無い。 「どうするか……」 思案を始めた瞬間、大男は走り始めた。 「迎撃しろ!!」 壁から身を出し、銃口を向ける。 複数の銃口から火を吹くが、左腕を盾にして攻撃を防いでいる。 そして、右腕がアッパーカットのように振り上げられた。 「ベブッ!!」 一人が顎にくらい、数メートル吹き飛んだ。彼が落ちた音とともに、顎がグシャグシャに砕けた頭だけが面白いように転がった。 「何てこった……。不用意に近づくなよ」 大男は立ち止まり、挟むようにいるミハイル達を見る。 大男はミハイルに狙いを定めた。 「くっ!」 体が強張る。これでは避けられない! そう思った瞬間、大男の左耳が飛んだ。 大男はよろけて耳を押さえる。 「左腕だけが頑丈なのか?」 しかし、検証する時間をくれない。大男は左腕をメチャクチャに振る。 「こいつ……!!」 部下が巻き込まれ、死んだ。
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