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ドアが吹き飛ぶ。大男は中を覗く。ミハイルとアリスが銃口を向けていた。
二人は撃つ。
大男は左腕でそれを防ぎながら、一歩ずつゆっくりと歩く。その時、ノイズ混じりに無線が入ってくる。
『たいちょ……無事……か?』
「俺は大丈夫だ! 現在A区画の武器庫で交戦中! 援護しろ!」
『りょ……い!』
大男が右腕を振り上げる。二人は腕に集中して攻撃する。
血飛沫が飛び散った。
「やはり、左腕以外は脆いようだ」
右腕が振り下ろされる直前、ミハイルはアリスの首根っこを掴んで避ける。
大男の拳は床にヒビを入れた。大男は二人を睨む。直後、不意打ちに大男の体がよろける。
「図体ばかりデカくたってぇ!!」
ミハイルの部下は手榴弾を投げる。
大男の足下で起爆した。左足に多量の破片が突き刺さっている。
大男は叫び、手榴弾を投げた兵士に向かって走る。
兵士は尻餅をつく。大男の右手が振り上げられた。
兵士は恐怖に目を閉じる。
ミハイルは慌てて武器庫を出る。
「背中ががら空きだ、馬鹿」
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