第一話

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黒人はわざとらしく思い出したような顔をする。 「俺たちと来ないか?」 「どこに? 何をしに?」 「日本を発端とした、世界的バイオハザードの元凶を潰しに」 「断る。また、あんな化け物と戦えと言う気か」 「そう言っている。急に言われても頷けないのは人間だ。しばらく考えてくれ」 その時、ドアが開き、白人が入ってきた。黒人に何か言う。彼は直樹を見る。 「出ていいってよ」 「そうか。アリスは?」 黒人はおそらくロシア語でしばらく話していた。 「あいつはもう少し時間がかかるらしい。ほら、これをやるよ」 小さい機械が渡された。 「なんだこれ?」 「耳にはめれば、様々な言語を自動翻訳してくれる。そっから伸びてるのはマイクだ」 「それはありがてぇ」 「あと、横の四つあるボタンは登録した人とプライベートチャンネルで話せる。右を押せば俺と話せる。何かあったら呼べよ」 「わかった。あんた、名前は?」 「俺はミハイル・ムラシェフだ。よろしくなジャパニーズ」
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