だいっきらいな春

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  気がつくと辺りが真っ暗になっていた。 「……………」 あの後、寄り道もせず帰宅し、ゴロゴロしていたら寝てしまったみたいだ。 ドアがノックされ、廊下の光が部屋に入る。 「いのりちゃん帰ってたの?」 「……ただいま」 母が扉の前に立って、大きな瞳をパチパチさせている。 「おかえりなさい。そろそろご飯だからね」 ドアがゆっくり閉まり、再び部屋が真っ暗になった。    
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