第一章 花籠のサリア

4/12
前へ
/27ページ
次へ
休息日の朝礼には早起きして寺院に行き、参礼者に花を配ったり、敬虔そうにお祈りを奉げたりし、可愛らしい見た目も手伝って町の人気者になり、小規模ながらもファンクラブまで設立されるまでに「花籠のサリア」の名声を高めた。  生まれ持った才能にも恵まれ、異例の若さで司教の職業(クラス)にも就けた。 その甲斐あって、2年前の14歳の時に城塞都市のカント寺院に留学する機会を得た。 父親は少し反対したが、下の兄の薦めと説得に折れて、都会での生活も人生の勉強になるだろう、と行かせてくれた。  城塞都市で私は寺院の仕事とは別に副業もしていた。 冒険者として登録し、レベルの低いパーティから、不確定の品物を鑑定して手数料として必要の無い物を引き取り、ボルタック商店に転売して小金を稼いでいた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加